つぶやき

ある朝の出会いから考える

2026-08-05
ある朝の出会いから
「ある朝の出会いから」考えること

映画「新・厚い壁」の上映会を一週間後に控えた早朝、私はテレビの画面に釘付けになりました。

映し出されていたのは、九州の国立ハンセン病療養所で暮らす女性患者と、そのご家族の過酷な歩みを描いたドキュメンタリー番組でした。

語られていたのは、国の隔離政策に引き裂かれた親子の悲劇です。強制隔離された女性は「子どもを産みたい」一心で療養所を脱走し長男を出産しますが、非情にも母親だけが連れ戻され、長男は母の顔を知らずに育ちます。長男が六十歳を過ぎて母の近くへ移り住んだ後、療養所に保存されていた胎児の標本の中に、本来のその男性の姉にあたる長女の亡骸があることが判明します。高齢の母親と長男が、その小さな亡骸と悲しみの対面を果たす姿に、私は言葉を失いました。我が子を抱くことさえ許されず標本として再会せざるを得なかった無念、奪われた家族の歴史の残酷さは想像を絶します。

番組の製作から二十年近くが経ちますが、映画の題材となった一九五一年の事件やこの親子の物語が突きつける人権侵害の重さは今も色褪せません。これらを過去の出来事とせず日常の地続きにある問題として、偏見や差別の根深さを学び続けること。そして二度と同じ過ちを繰り返さない社会を築くために、日常の学習会や暮らしの中でこの受け取ったバトンをどう次へ繋ぐべきか、深く考えさせられる契機となりました。

 地続き(じつづき) =土地と土地が海や川などで区切られずに、そのままつながっていること。(WEB辞書より)

 

一年をふりかえって

2026-06-05

昨年5月の第38回奈良県市町村人権・同和問題「啓発連協」総会で事務局長に着任して一年がたちました。

39市町村や奈良県人権教育推進協議会、奈良県など関係機関・団体の皆さんとがむしゃらに走り抜けた一年でした。

最初は「何から手をつければ?」と手探り状態で頭を抱える苦労の連続でした。毎月11日は「人権を確かめあう日」の取り組みや、隔月の会議や学習会、インターネットの差別書き込みへの対応など様々な事業では、 今何が求めているのか?悩みの連続でした。

会議や学習会が終わった後で、意見を交わす時間は疲れた心身には最高の息抜きとなりました。

7月の「差別をなくす強調月間」、また8月の「シンポジウム」、11月の「第31回なら・ヒューマンフェスティバル」・・・・

ヒューマンフェスティバルの前日準備は土砂降りの雨で「どうなることか…」と胃が痛むほど心配しましたが、当日は一転して前日の雨がうそのような「快晴」!子どもコーナーでの、ふわふわドームや輪投げ、ストラックアウトで遊ぶ子どもたちの元気な歓声、模擬店や物産展の賑わいが一日中響き渡り、最高の贈り物になりました。

また11月からは奈良県内のすべての市町村へご挨拶に回り、市町村長さんたちに温かく迎えていただきました。感じたのは奈良県の広さと、職員の皆さんの温かさでした。この挨拶回りでたくさんの笑顔に出会い、地域に根ざした温かいネットワークを築けたことが一番の成果だったと感じています。

この一年で得た手応えをエネルギーに変えて、誰もが自分らしく笑顔で生きられる社会の実現へ向け、二年目も「心に笑顔を」を忘れず楽しく突き進みたいと考えています。

奈良県市町村人権・同和問題
啓発活動推進本部連絡協議会
〒634-0061
奈良県橿原市大久保町302-1
奈良県市町村会館1階
TEL.0744-22-9611
FAX.0744-22-9711

差別や人権侵害を許さない、
人権尊重のまちづくりをめざし
取り組んでいます。

 
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